障害福祉→介護保険、多くの自治体が自己負担の軽減措置を周知せず【厚生労働省】
厚生労働省は会合で「新高額障害福祉サービス等給付費」を取り上げました。この制度は、65歳を超えて介護保険のサービスを使い始めることで新たに生じる自己負担を一定の条件下(※)でゼロにするもので、保険優先の原則によって障害者の生活が苦しくならないよう、2018年4月に創設されたものです。
※ 一定の条件
介護保険サービスに相当する障害福祉サービスを65歳直前に5年以上利用していた人、障害支援区分2以上の人、低所得の人など
厚労省が部会に提示した2020年度の調査結果によると、対象者に案内を送るなどこの制度の個別周知を行っている自治体は32.6%。全体の3分の1を満たしませんでした。また、公式サイトや広報誌などで幅広く周知している自治体は10.6%にとどまっていました。
厚労省はこうした実態を踏まえ、「この制度を積極的に周知していない自治体、支給実績のない自治体も一定程度存在する」という問題を提起しました。自治体が負担に感じることとしては、「対象者の抽出・確認」「介護保険部局との情報連携」「介護保険、生活保護との併合調整」などが多いことも報告し、今後も制度の改善に向けた検討を深めていく方針です。
2021年8月30日 第116回社会保障審議会 障害者部会
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000824397.pdf
利用者の特性に応じた、きめ細かな対応ができるような制度を期待したいと思います。
〈記事担当: 平山〉